【人】 二年生 鳳 凛──凛の居場所 ── [凛が幼いころから探していたもの。 それは自宅にはなく、例えば図書館でも、やっと見つけたと受け入れて貰えた商店街の優しいお祖母さんの家でも、必ず、疎ましく思う人達の目に留まってしまい居られなくなっていた。 たまに幼馴染の家に遊びに行くことはあったけれど、毎日という訳にもいかない。 公園でひとり、神社でひとり、裏山でひとり、ずっと、ひとりじゃないと居場所がなかったから、] 今日、ミニトマトが沢山実ってたのですよ、先生。 オクラも獲れましたし、茹でてサラダが出来ます。 この瓶、綺麗だし未だ使えると思って、考えてるんです。 あ!筆入れとか、どうですか? 動きましたよ!先生! こうやって色を塗ると、本当に向日葵が首を振ってるみたい。 [本を読んでいても、 宿題をしていても、 犬と戯れていても、 扇風機の風にあたっているだけでも。 いつ行っても受け入れてくれるこの場所が、 何よりも大切で、心地よくて。 漸く見つけた、凛の居場所。]* (263) 2021/07/26(Mon) 20:39:48 |