【人】 新人看守 ダビー>>261 アマノ 惜しむこともせず杖を手放した様子にかすかに目が見開かれる。されど足を止めるまでには至らず。 それならばと踏み込む足に力が籠るのと、続け様に見せた動作の中から光を拾い上げたのはほぼ同時だった。 「……ッ!」 ──何か仕掛けてくる。 脳が命令を出すよりも先に体が動く。 足を振り下ろして地面を砕き、宙へ。強化された力のままに高く跳び、咄嗟に貴方から距離を取ろうと試みる。 与えられたものは脚力だけではない。恐らくある程度多くの衝撃も耐えられるようにもなっている筈だが、被弾しないに越したことはない。ただ跳んだだけでは間合いから抜け出していないかもしれないが。 ハッタリであれば、そのまま落ちる勢いを乗せながら攻撃に転じればいい。 空中に身を躍らせた男は静かにその動きを見つめる。 蹴りと同時に見せた閃光の真意は、果たして。 (264) 2021/10/01(Fri) 16:57:35 |