【人】 元子役 辺世 流外に出ると、すっかり夜。風もさすがに大分涼しい。 「えっと、ここからだと民泊に戻る手前だから、来た道を戻る…左になるね。 …………?」 意気揚々と陽気に差し出された右手>>265を見て少し頭に疑問符を浮かべ (払った分を割り勘で出せという意味かと一瞬思った) すぐに意図に気づく。 「あ…!ああ、うん。ほら。」 差し出された右手に左手を添えて握る。 手を触れるだけで唇が乾くくらい自分が触れていることを意識しているのに気づいた。 さすがに僕の手とは比べられないほど温かくて、すべすべして、柔らかい。 くすくす笑う顔を見てまた赤面した。 (268) 2022/08/02(Tue) 23:40:34 |