【人】 宮廷楽士 ウェールズ−馬車の中 [ どこかのバカは、にこにこと笑みを浮かべて、 首を横に振った。 しかし、コンセールカリヨンとは 違う服装ゆえに、その嘘は直ぐに 気づかれるだろうが、 それもまた一興というわけだ。 ] “僕は一介の騎士だよ。 それにしても、酷く疲れが見える。 一連のことが終われば、 シュネーヴェに遊びにくるといい。 王女様がとても喜ぶだろう。 あの国は、涼しくて体を落ち着かせやすいから。” [ 妹や婚約者が聞いたら、 呆れてなにも言わなくなっていたことだろう。 目の前の彼女が、追っている人物を 大切な人 と称したとき、ふっと笑ってしまった。 ] (269) 2020/09/26(Sat) 22:59:05 |