【人】 生物学者 アマノ『"あれ"はもう何年も前に勘当しています。』 『親子の縁は切っているので、この件に関して何も申し上げる事はございません。』 ────…………へーえ。 知らなかった。 [俺、いつの間にか知らぬ間に父親と縁切りされていたらしい。 日和見主義な母親は、こういう時ばかりは父親と同調するのだろう。 直接告げられることもなく、勝手に切って捨てられた、俺達を結ぶ唯一の縁でしかなかった"血縁"という名の細い糸。] …………なんなんだろうな、"家族"って。 [ぽつりと呟く。 今一番恋しい体温が、声が、あの強く蒼く光る俺の大好きな瞳が、傍らに無いことだけがひどく寂しかった。*] (272) 2022/07/23(Sat) 6:36:24 |