【人】 アイドル 三上 麗央[さて帰ろう、と空を見て。遠くの曇天に気づく。ホテルへ向かう送迎バスではなくホテルの車の方へ向かう。バスじゃ嫌な宿泊客が乗るものだろうが、頼めば他へも乗せて行ってくれるはず。] あっちって、なにがあります? [花畑と聞いて、そちらへ向かうように頼む。仕事なのだから文句はないだろう。チップとか出さないよ、日本のホテルだし。たまにチップを渡す客がいて、それで美味しい思いをしている従業員もいるのだろうが、働きに見合う給料は貰っているのだから、特に思うことはない。弱そうな相手に圧力をかけてチップを出させようとする奴が居たらクビにされればいい。ホテルの評判に傷がつくし。 途中で牧場脇を通り過ぎたが>>219人影が視界に入ることはなかった。 雨でけぶる黄色と白と薄紫。そこに車が滑り込む。遠くに人影>>193雨で立ち往生しているのだろうか。] あの人が乗るかもしれないからちょっと待ってて [言葉の途中で乱暴に扉を閉めた車は猛スピードでこちらに泥を跳ね上げると走り去って行った。濡れた客を乗せるのが嫌だったのだろうか。無線でたまたま偶然他所の客に呼ばれてタイミング悪く行ってしまったのかもしれない。 雨の中佇む姿は、迷子のように心細く見えた。 近づくと髪が白いのが分かった。和装だし、ご老人なのだろうと思う。後ろ姿だし、知ってる人とは思わない。 驚かせないようにゆっくりと近づきながら。] あの、お困りですか? [声をかけるけど、こちらは水着姿だし>>40、バスタオルもびしょ濡れなのだけど。多少は防水性があるだろうラッシュガードを貸してあげれば、少しはマシだろうかと*] (276) 2020/07/30(Thu) 19:08:45 |