【人】 薬屋 テレベルム― 往来 ― ラヴァ、いいところに来てくれた。 実は少々困っている。 [いつぞの寒波>>267を思わせる底冷えする寒さの中 思考に窮した男を拾うのは、ひとりの黒ずきん。>>271 白衣に身を包む己と立ち会えば彼女はまるで対であった。 温暖の魔法は使えないが、今の己には猫という体温がある。 いつぞやの邂逅と異なるのは二人と一匹である所為か。 間の抜けた構図は笑い話にしかならないから、 花でも咲いたかのような笑顔を受けるのも無理は無いが 嘆息をひとつ落として、彼女を傘の中に入れるように歩み寄る] この猫がうちの店に迷い込んでいた。 何処かの家の猫だと思うが…探すのを手伝ってくれないか? [顔だけを白いローブから突き出した猫は ぬくぬくとしながらも、襟ぐりから短く鳴いた。] (283) 2021/12/09(Thu) 15:15:28 |