【人】 子役 ヘイズ>>264 ルヘナ ぱちり。あなたと目が合った。 それはほんの数日間の日課だったけれど まるで長い間そうしてきたように、自然な流れで ミルク入りの紅茶のティーカップをあなたの前に置いた。 「…どうぞ!」 子役はいつもどおりの笑みをにこっと浮かべて そうして、隣にすわった。 何か言わなければいけないことがある気がするが ひとまずは、淹れた紅茶を味わってから。いい香りだ。 「あの、ルヘナさん…… ルヘナさんはこれからどうするんですか?」 やがておずおずと切り出したのは、未来のことだった。 "シータの痕"事件もなかったことになり 真実が明かされた今、この日課もこれで最後だろう。 (284) 2021/05/02(Sun) 9:17:38 |