【人】 教会住みの娘 エヴィ[ …けれど当たり前に訪れる、終わりの時。 最後の音を連れて去ってしまう風を、 じっとりと汗に濡れた掌で掴めたらと 無意識に手を伸ばせば、茜から藍に変わる空に 星が輝くのが見えました。>>269 あぁ、やっぱり掴めなかった、と ぼんやりしている頭に、遠くから迫りくる 地鳴りにも似た歓声が聞こえ来て。 こちらに手を伸ばして、抱きしめてくれようと する姿>>272が見えれば、私もおずおずと 両の手をその方の背に回して。 ( 人に抱きしめられたのは、一体いつぶり のことでしたでしょうか…) 送られる言葉を一言も聞き漏らすまいと、 その方の胸に包まれたまま、うん、うん、と 頷いていました。 ] (290) 2020/09/23(Wed) 22:08:22 |