【人】 二年生 稲出 柊一[次第に凛の家が裕福な家庭ではないこと、 あまり家族に優しくされていなさそうなこと、 前世は貧乏神だったと自称しているらしいこと、 少しずつ分かっていって。 別にオレは、凛の慎ましさや価値観を否定しようと 思っているわけじゃない。 実際にお金なんかなくたって、 幸せになる事は出来るのだと思う。 でも1つだけ、どうしても ずっと引っかかっていたことがあるんだ。 踏み込み過ぎているのは分かっている。 でも、これだけは譲れないと思ったから、 嫌われるのを覚悟して、もう2度とは言わないと心に決めて、 高校生になった時、思い切って伝えた。] なぁ凛、今の家庭が理想だって、 思っているのかもしれないけどさ、 いずれ大人になって、自分の家庭を築くときも、 同じような家庭にしたいって、思ってるのか? 別にな、旦那がニートのヒモ男でも良いと思う。 お金なくたって幸せになれるって、 凛は幸せだからそれで良いんだって思ってるよ。 でもさ……どんな理由があっても 大事な家族を粗末にするような、 そんな相手は止めて欲しいかな。 いや、どんな立場で言ってるんだって話なんだけどさ。 (291) 2021/07/22(Thu) 21:14:52 |