【人】 2年生 松本志信─美術館─ [美術館についてから「一緒に回ろう」なんて声をかけられることもなかったろうし まがいなりにもそんな奇特な奴がいたとしても 俺はそれこそニンジャのように気配を殺して いつの間にかその場からいなくなり館内に入り込んだ。 美術館の中をゆっくりと歩く。 ああ、この展示が変わったのねとか。 この絵見たことねぇなとか思いながら足を進めた場所は 現実を超えた現実が広がる空間。 海に浮かんだ石の城、何枚もの羽に取り囲まれた人、溶けた時計。 鮮やかな色彩に目を細める。] …………。 [石でできた林檎の絵の前で足を止めた。]** (292) 2022/09/02(Fri) 20:17:09 |