【人】 『 大蛇 』 ラサルハグ 正直なところをいえば 『ラサルハグ』の想定ではソフィアといえど 己が神だとはすぐには信じないと思っていた。 「嘘だ」など、そんな言葉が来るとばかり。 そう思っていたが結果は想定を超えて訪れる。 頬に伸ばした手は柔らかなものを捉えて 人間らしからぬ冷たい手は 形容しがたくも心地よい暖かな感触に包まれる。 ソフィアもまた人間であると言うのに、 抱くはずの嫌悪が現れないのは何故なのか。 言葉の詰りを流すような少女の呼吸を余所に 『 大蛇 』の興味はなおも引かれゆく。 (307) 2021/06/18(Fri) 11:28:53 |