【人】 2年生 松本志信─朝霞ちゃんとの電話─ [電話に投げた声に朝霞ちゃんの声が返るまで、多分暫くかかったと思う。 妙な間で何を考えていたのか>>272 は知らないが そのかかった時間と声のトーンで、何かとても重要なことなのだろうと理解した。] ん? ああ〜……。 [そういえば約束してたことがあったな、と。 忘れていたとかそういうわけではなくて あれからそんなに深く話す機会もなかったな、と。] 朝霞ちゃんはさ、よく本読んでんじゃん? 本読む時ってどんな感じ? 楽しい? [その問いにはどんな答えが返ってきたのか。 どんなものであれ、うんうんと頷きゆっくりと口を開く。] 俺には、その世界がわかんねぇのよな。 わかりてぇなと思うんだけど。 色字共感覚、っつってな。 文字に色がついて見えてんだ、俺。 [外の室外機の音と混ざる声で語られるのは 其れにより淘汰された幼いころの記憶と それ故に文字を見ることが苦痛になってしまったという傷の話。]* (309) 2022/09/19(Mon) 12:50:06 |