【人】 メカニック ゾズマ【コールドスリープルーム】 [ルヴァから手を離したゾズマは、「大丈夫」ともう一度つぶやいてから、一歩、室内へと足を踏み入れた。] スピカ、 ―――― この、バカ!! [ダビーが彼女の側についてくれていたって――そもそも彼女の姿がこの場に現れていなくたって>>-314、この罵倒が止まることはない。 友だからこそ、スピカに「生き延びられて良かった」と寄り添う前に、この場で示すべき怒りだ。 (チャンドラとの間でもそんな「バカ」の仕返し>>5:134だったり、バーナードともどもぎゅっと抱きしめられたり>>5:160、があったとは知らなかったけれど)] ばか。ばか。 あんな腑抜けたサマ、見せやがって、スピカ。 もうちょっと、しゃきっと、しろ、っての。 [「ばか」を放ってから、ぼろ、ぼろと、零すつもりの無かった涙が落ちていく。その涙は紛れもなく安堵からのものだったけれど、あまりにもみっともない姿だ。 この「しゃきっとしろ」は、本当に“人のことは言えない”以外の何物でもなかっただろうけれど、ゾズマがそれを自覚することはなかった。 そのくらい、この時のゾズマは、スピカのことでいっぱいいっぱいだった。] (319) 2022/07/23(Sat) 12:19:12 |