人狼物語 三日月国

124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】


【人】 灯守り 立春

─ 時は少し遡り ─

[右手と右足を同時に出しながら
会場に足を踏み入れた直後のこと。
聞き覚えのある声に名前を呼ばれて振り向いた。>>290]


  葵ちゃん!
  今日はお着物なんだね。素敵だぁ……!


[太陽光を反射した雪原よりも眩しい輝く笑顔。
きっちりと切り揃えられた白銀と鮮やかな萩の髪。
普段とは一味違う華やかな和装で駆け寄ってきた友人に、
ほっとそれまでの緊張を解いて微笑み返す。

葵ちゃんも、少し先輩ではありながら年齢が近しく
蛍の任を経て灯守りに就任した経緯も相俟って、
出逢った当初から親近感を抱いていた子だった。
統治域は決して近くはないにも関わらず、
先代同士もどうやら仲が良かったらしい。

蛍として師匠の弟子だった頃は
会合に参加したことはなかったから、
葵ちゃんと出逢ったのは灯守りになってからだった。
まだ何もかもが手探りで、行き詰って途方に暮れて
お姉ちゃんの顔を見に里帰りしたときのこと。
何十年も前から灯守りをしている方ばかりではなくて
同い年くらいの子も居るのだと聞き知ってはいたけれど、
実際に会って話すのは初めてだった。]
(320) rinto 2022/01/17(Mon) 22:26:15