人狼物語 三日月国

148 霧の夜、惑え酒場のタランテラ


【人】 フィアンメッタ



  噂の場所を探せば、酒場は見つかった。
  ぼろぼろの看板がかかっていたから
  此処で間違ってもいないと思う。
  中は真っ暗で何も見えないし、扉は開かない。

  
   
「……ここが本当に酒場になるの?」
 


  ぼそりとつぶやいた声が風に流される。
  あの時舞っていた青いバラが
  服の裾についているのに気づかないまま
  私は足元に落ちていた石を拾い上げ―――

  
(324) 2022/05/22(Sun) 1:20:35