【人】 楊 宇静[ドヤ顔、の意味は解らなかったけれど、子供っぽい。と言われたのは解ったので。 やはり指摘された通りのドヤ顔をして、そんな風に返したのは、帰り道。] ……太阳雨 [軒下を出れば、外は明るいのに額の辺りに水滴の感触。 見上げれば、青い空に白い雲。 夕立のように灰がかった低い雲は遠くに少し見えるだけなのに。 掌を差し出せば、やはりぽつ。ぽつ。と弱い雨が疎らに当たるので、思わず言葉に出てしまった。 楽器が気になって、横に並んだ穂村のを見遣れば、どうやら大丈夫なようで。 ――彼の故郷の言葉で、これを何と言うか知れば。 私の国の言葉と同じだね。なんて、きっと笑って言うのだろう。 ただしそれは、二人だけが知る。また、別の話――。**] (326) 2020/05/31(Sun) 13:12:07 |