【人】 3年生 黒崎 柚樹[私は前を見て歩いていたから、下だけを見て確かめるように歩いていた津崎 >>335 よりも早くその"現実"に気がついた。 多分、武藤の側も。] な、に、…………これ。 [白い霧の中、十数歩歩いたところで霧が晴れてきたように思ったから足を早めれば、視線の先に美術館のエントランスが見えた。 間違いなく、エントランスを背にして歩いていたはずなのに。 そしてエントランスの脇には私のバッグとパーカーも見えた。 つまり、ということは、"別の美術館"に辿り着いたわけではなくて、元の場所に戻ってきた、ということで。] ここ、どこ、なの…………。 [掠れた声で、呟いた。 薄々気付いてはいたことだけど。 "ここ"はあの美術館であって、あの美術館ではない、全くの別世界。**] (340) 2022/09/05(Mon) 13:43:09 |