【人】 3年生 黒崎 柚樹―― レストラン ―― …………松本さん、小泉さん。 何か、聞こえませんか……? [重いものが──たとえば、大きな皿とか花瓶とかが──砕けるような乾いた音。 あるいは、木の枝が割れるような軋んだ音。 ヒステリー染みた大声で喚いた私に、2人は近付き、それぞれ宥めようとしてくれていた頃だった。 理性的な穏やかな小泉さんの言葉。>>343 松本さんもきっと、松本さんだけが発することのできる温かい──あるいは厳しい?──言葉をかけてくれていたんだろう。 でも何を言われても私の心のささくれは止まらなくて、再び口から毒を吐き出そうと口を開きかけたところで、感じた異音。] (345) 2022/09/11(Sun) 21:51:13 |