【人】 メカニック ゾズマ( それより、も――。 いろいろ、大変になりそう、かな ) [必要な療養を終えれば、これから先に待ち受けているものの想像はできている――感傷に浸るよりも前に、そういうことを考えてしまう。 アンテナ号の事故に関しての事後処理――報告作業だったり、公の場での会見だったり、責任追及だったり。 乗艦整備士である自分が、アンテナ号の処分>>217>>218やスリープ装置故障の件>>310で駆り出されることだって想像に難くなかった。 艦内の人間関係をあげつらうゴシップが出てくることまでは考えてはいなかったけれど(世間はそういうものだと予期できてもおかしくなかったが)、それが無くとも、あの旅路と漂流を共にした“生き延びた者たち”――とりわけ、“夢の中でも”目覚める様子の無かったスピカ――のことが、気掛かりとしてあった。 けれど、この時のゾズマには、それらよりも前に。 一個の人間として――親のいるひとりの子としての、ひとつの闘いが待ち受けていた。] (358) 2022/07/23(Sat) 17:17:24 |