【人】 1年生 工藤美郷──黒崎先輩とガールズトーク── [過分に気遣いをしすぎる黒崎先輩とは対照的に、工藤には全くそれができない。 おそらくは足して二で割れば程よくなるのかもしれないけれど、そう簡単にはいかないわけで。 だから、黒崎先輩が居心地悪そうにしていても、不躾に直視してしまう。] 黒崎先輩が林檎剥いていたからかな。 いいえ、違います。もっと濃い匂いです。 [そんな無遠慮な言葉も重ねてしまう。] ……ここに来てから、やけに林檎が目につきます。 [事実を確認するようにつぶやいた。 瞼の裏に、10枚の絵がよみがえる。 最期まで砕けたままの林檎は、いったい誰のものなのか。] (372) 2022/09/09(Fri) 22:30:35 |