【人】 XIV『節制』 シトラ[ 今、 袖を引く手を取って握ろうとしたのは その手の主の支えになりたいと願う気持ちから、 ……だけでは居られなかったのかもしれない。 握り返してくれた手>>304に安堵を覚えながらそう思う。 指先から伝わる温度が、束の間 わたしになけなしの気丈さを取り戻させてくれる。 そこに少し強めに負荷が掛けられても、 彼の方を見上げはすれど わたしは何も言わなかった。 その手が彼の方から離されるまで ただ、いつものように黙って手を握っていた。] いえ、 あの ……お気に、なさらず…………[ ごめんね、にも 痛くなかった? にも>>305 ふるりと首を横に振ってみせる。] (378) 2022/12/15(Thu) 20:18:57 |