【人】 生物学者 アマノ最初は、あいつの右脚になろうと思いました。 …………でも、それはあいつに失礼な話で。 今は共に歩きたいと思っています。 置いていかず、置いていかれず、いつでも横を見たら互いが見える距離と速度で。 [縁側に前屈み気味に腰を下ろし、決意するようにぽつりぽつりと呟いたら、”貴方、良い子ね”と、いう声と共に頭を撫でられた。 カサついて節ばった、働き続けた女性の手。 それでも俺は、サロンだのネイルだので磨かれた、綺麗に整っているだけのあの母親の指よりも余程に綺麗だと思った。 いつの間にかラサルハグも近くに居たが、どこから聞かれていたとしても、まあ構いやしないさ。*] (391) 2022/07/23(Sat) 20:47:45 |