【人】 鬼 紅鉄坊……さて。一つ、聞いてもいいか 花嫁と扱われる生活に、男児として思うことはないのだな [ 男であると知った時からの疑問。 今まで問わなかったのは、振る舞いを見れば答えは明白だからだ。 故に口調にも既に理解していることは表れている。 ] ならば、望むままに扱おう。私の花嫁よ [ 「選んだ」 「役目」 「相応に」 哀しい花嫁たちを妖怪達の元に送り届ける役目の鬼が、 人里で穏やかに暮らし、家庭を築く夫婦のことなどを その言葉から想起する筈はない。していい訳がない。 何を言われているのか理解しながら、態と口にした。 花嫁という肩書きの元に、「せん」を選び求める。 そんなものは助け出す為の口実でしかなかったが── 少しばかり身を引いて、立ち上がる。 ] (395) 2021/06/19(Sat) 1:21:47 |