【人】 小満末候 麦秋至[まずいなって気持ちがこみあげてきた。 いくら出ていったとはいえ、かつて居た故郷のことを、 否定的に言うつもりなんてなかったのに] ………… ご、ごめんなさい。 [ぴたりと言葉を止めたと思ったら謝るわたし。 そんなことしても一度言った言葉は取り消せないのにね。 向けられるであろう視線を避けるように俯いてから、 その場をぱっと離れてしまった。 それからは自己嫌悪が酷くてどこか上の空だったし、 パーティーの時も賑やかなところから離れて元気なくぼんやりとしていた。 ……そんな、“麦秋至”として初めての会合での記憶**] (403) 2022/01/18(Tue) 2:31:34 |