【人】 少年水夫 カイル― 回想:占い師の彼女 ―「貴方の未来を占ってあげる。」 [鈴のような澄んだ音で、 未来の予測が紡がれるのを僕はただじっと見ていた。 勿論、ゴーストの僕がそう言われたわけじゃない。 お客さんが彼女の対面に座っている。 「誰がガキだ!次言ったら……シメるから。」 >>12なんて言葉を耳にしたこともあったから、 僕は彼女がそれなりに大人の女性だという事を知っている。 ―――知る前は、……ごめんなさい。 未来に起こりそうなことや、悩みや困った事への助言。 そんなやり取りが為されているのを、歯がゆく見守っていた。 僕も幽霊でなければ、彼女に助言を求めたかった……。] (406) 2022/05/22(Sun) 16:04:03 |