―― 回想:綴と風鈴と ――
[
>>402先よりも少し高めの音がするらしい風鈴の音色もまた数多の風鈴の音色と変わらぬように聞こえる。
遜色のない綺麗な音色だがそこに感情の色を覚えることはできずにいた。
生まれ育った地、或いは環境由縁の感性の問題なのだろう]
おう、綴。
貴女がそんな表情をすることはないのですよ。
それに私は感謝しているのです。
いつもいつもいつもいつも。
風鈴の音色の違いを私に届けてくれるのですから。
[その違いを知ることは未だ出来てはいないが分かりやすく落ち込んでしまう綴の肩に手を軽く触れてそう伝える]