人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 若者 ミスミ

…。

[ぐず、と鼻が小さくなる。
こういう時に花粉症ならまだ言い訳も経つのかもしれないが、残念なことにこの短い人生いまのところ花粉よりも自分のほうが強かった]


…ばあちゃんの芋ご飯、食いてえなぁ。

[ポツン、とつぶやいた声は蝋梅を散らす春一番に乗って。
馬鈴薯でも、甘藷でもない、里芋のご飯。
彼女の作る物は何を食べてもうまかったけれど、元気がないときに何も言わなくても作ってくれた大事なメニュー。
日本から離れる時に食べられなくなると困るだろうと教えてくれた分量はレシピブックの一番最初のページにある。

でも、分かっている。
あの味は、もう、永遠に食べられない。
材料もレシピもわかっているのに、絶対に、永遠に同じ味にはならないのだ]
(432) azumi 2023/03/02(Thu) 22:26:16