【人】 灯守り 白露[その名前は、わたしが楽しみにしている文通相手のお名前 ある日、自室の窓辺に見たことのない手紙が置いてあって、 その文字が、流れる様に綺麗なものだったから、ついお返事を書いてしまったのが始まり 何度か交わすうちに、統治域で描いた風景画を同封してみたり、領民に教えてもらいながら押し花を作って入れてみたり、少しずつわたしの好きなものをお裾分けしていった 彼女がお部屋にそれらを飾ってくれていたことは、白露は知らなかったけれど、彼女がそのひとつひとつに丁寧な感想をくれたりすることが、とても嬉しかった 自室の机の上には、お返事だけを入れた木の箱が大切に置かれているほど、白露にとっては大切な名前であったのだ] …! ローザ ……ろっ、ローザ、です[お会いできて光栄です、嬉しいです、会ってみたかったです 言葉はいっぱい浮かんでくるのに、どれも声にはできなくて 文字を乗せるスケッチブックも、今はどうやらおやすみ中らしくって 嬉しさを滲ませた笑顔を彼女に向けることしか出来なかった] (438) 2022/01/18(Tue) 15:20:57 |