>>432 #ゾンビ編



20XX年──

日本は、ゾンビウイルス特効薬の独占権を入手したワクワク興業によって支配されていた。
薬を求めセミナーに入会した民衆は、顔色がのごとくなるまで財産を搾り取られ、生ける屍──社畜と化していった。

「これじゃゾンビになるのと変わらない……本当に生きているなんて言えない！」

悪逆非道のブラック企業を前に、一人の30代OLが立ち上がる。
のリボンを風にはためかせ、を握りしめる彼女の瞳は復讐の炎に燃えていた。
そう、彼女もまたワクワク興業の犠牲者。かつて投資詐欺に騙されてとを差し押さえられ、ひとつで寒さに震えながら（具なし）をすする日々を過ごした、悲惨な過去の持ち主だったのだ。

しかし、、とというダサい初期装備で無謀にも日本一、いや世界有数の大企業に挑もうとする一般人の仲間になろうという者は皆無だった。それでも彼女は諦めなかった。

密かに応援してくれるの人の支えで(906)^1d1000日の厳しい修行を乗り越え、ピン芸人としてワクワク興業が主催するO-1グランプリ（Oは大喜利の頭文字である）にエントリーすると、ライバルとの熱いコーデバトルやにんじんで買収された相方ミミサマとの決別、ツッコミが難しすぎるボケなのでは？という審議にも負けず決勝戦まで勝ち進む。