【人】 春分初候 雀始巣[ こうして会合へと足を運ぶのは初めてではない。 なんだかんだといって、 春分さまはこういう時、よくわたしを共にする。 ( ……気遣いなのかもしれないと、 自惚れにも似た推測を浮かべることがある ) 主を通した顔見知りはきっと少なくなく、 顔を合わせれば挨拶をすることはあっただろう。 今もきっと、同じように。 さて、たとえば今みたいに、 付き従うことをやめて一人になった瞬間は あたたかい紅茶でも手に、 庭を眺めて風景の一部となるに限るのだけれど―― ] (514) 2022/01/18(Tue) 23:08:11 |