>>584 ヌンキ
「……あ。も、もちろん、知ってます!」
子役はこほんと咳ばらいをしてから、ゆっくりと息を吸って、
「"ああ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?
私を想うなら、あなたのお父さまと縁を切り
家名をお捨てになってくださいな。
それが嫌なら、私への愛を誓って欲しいのです。
そうすれば、わたくしもこの場で
キャピュレットの名を捨ててみせます"」
透き通った声が響く。それは人格のスイッチが切りかわったように悲し気に、嘆くように。その場で演じて見せた。
そしてすぐにいつものおどおどとした様子へと戻った。→