
![]() | 【人】 ブランチ 加藤栞里>>584 #幽霊編 『生きてる人には見えないけれど、常世と幽世は交差する。 生きてる頃には出来なかったことしてみない?』 急死に戸惑っていた私を見かねて、通りすがりの女性がそう声をかけてくれた。 ——これが幽霊界の大御所、貞子先輩との出会いだった。 私は先輩から幽霊としての心得を学び、そして自分なりに生きてる頃には出来なかった、やりたい事に挑戦することにした。 そうスケバンである!! 上はセーラー服で下は引きずりそうな長さのチュールスカート。 胡蝶さんから拝借したネックレスをつけて、チアリーダーコスプレセットの中のポニーテールのウィッグを装着! 普通のスケバンとは違うってことを重厚感のあるマザーオブパールの輝くサーコートを羽織ってアピール! その上から白い三角巾をつけて幽世のスケバンとはあたしのことだよ! ヨーヨーの代わりにメイクも落とせる掃除機を駆使して、疲労困憊でメイク落としさえ出来ずにバタンキューな女性のメイクを片っ端から落としていく正義のスケバン! 外見からはワルに見えるかもだけれど、捨て犬ならぬ捨てアイボを拾って面倒見ちゃうし、学校の習字の授業でもらった3位入賞の賞状が嬉しくて実は宝物。 そんなギャップを持つスケバン幽霊が、今宵もあなたのメイクを落とさんと、暗闇からこちらを見ているとか、見ていないとか—— (634) 2024/12/02(Mon) 6:05:47 |