
![]() | 【人】 ブランチ 加藤栞里>>584 ゾンビ編 『ゾンビがいて外に出られない? そんな時はUber Eatsでしょ!』 テレビから流れてくるCMに衝撃を受けてから早3年。 そんなUber生活にも慣れた。 外に出るから襲われる、ならば外に出なければいいのだとは盲点だった。 ゾンビとの共存にいち早く正解を提示したUber社は瞬く間に世界を席巻し、今では生活に欠かせない存在となった。 仕事は全てリモートで、ご飯の注文も買い物も全部ノートパソコンでぽちっ。 人とオフラインで会う事がほぼないから基本的には降霊者っぽいルームウェアとベージュのボトムスで済ましちゃう日々に変化があったのはUberのイケメン配達員に一目惚れしたから。 どうにかデートの約束をこじつけて、夏祭りに行くことになった。 ゾンビがいてもどうしても祭りがしたいパーティーピーポーにこの時ばかりは感謝した。 お気に入りだった黄みの橙のブーツはゾンビに目立ってダメだったから残念だけどグレーの染料で染め直してグレーのブーツに。 夏祭りといえば浴衣!でもあえての光沢サテンのワンピースという説もある。 そうだ!どちらにするかは家に迎えに来てくれる彼に決めてもらおう! お祭りでは大好きな激辛やきそばをどうしても食べたいけど、可愛げないかな…? そうだ、たっぷりクリーム大盛りのクリームパンを食べて鼻にクリームついちゃったてへぺろ演出で激辛焼きそばの記憶をかわいいで上塗りしよう!! あ、インターホンが鳴った!彼が来たに違いない! いつもは確認するインターホンのカメラをこの日ばかりはチェックし忘れた。 ワクワク気分で扉を開けたさきにいたのは—— (637) 2024/12/02(Mon) 6:27:04 |