
![]() | 【人】 超劇場版カロロ軍曹 唐垣結衣#宇宙旅行編 episode1 「ファッションコーデはこーであるべきだ」はるか昔、銀河のとある惑星である男が言った。 衣服の自由に対する宣戦布告。すべての着衣スタイルは完全に統制され規律の元に同一であることこそが幸福である。と 当初は多くのものに見向きもされなかったその考え方は永い時の中で一人、また一人と同じ考えの同志を増やし続けた。 そうして今、遥かなる時を経てついには銀河を手中に治めんとする一大帝国を築くまでに至った。 自由を捨て、完全なる思考停止の中で「何も考えなくても済むという」植物のような幸せが銀河を支配しようとしているのだ。 強大な武力で次々と銀河の星々を支配する「ジミナーフク帝国」の快進撃は止まるところを知らない。 一番最初に声を上げ皇帝となった男「アクニンデス皇帝」は着々と進む銀河の支配に笑みを深くするのであった。 何が彼をそこまで突き動かすのかそれはわからない。 「皇帝陛下!また一着、帝国への反乱思想過激派衣服を確保しました!」 「よろしい、引き裂くのだ」 部下の言葉に嬉々として命令をくだす。 衣服を裂くための処刑器具の中で無残にも引き裂かれるコバルトブルーのワンピースを見る皇帝の目は燦々と輝いていた。 忌々しい、反帝国主義の派手で過激な服がまた一着この世から姿を消すのだ。 派手な服など不要、ゆるふわモテコーデなど言語道断、オシャレの何が人を幸せにするのか。 数百年にも及ぶ非モテ特有の拗らせた思想の行きつく先が、八つ当たりにも似た怨嗟の声が。そこにはあった。 「ワールィヤツダーは居るか」「ここに」 悪の皇帝の腹心、悪いやつのご登場だ。アクニンデス皇帝の直属の弟子であり腹心でもあるワールィヤツダー卿はその恐るべき手腕と実力で次々と銀河の星々を征服し異分子たちを処刑してきた銀河で最も恐れられる悪いやつであった。 銀河を支配する思考停止、様々なファッション、自由なコーデ、虚無な香水、芋臭い疎開服などなど、多くの人の記憶に刻まれてきたファッションそのものが、思想が、銀河から消え去ろうとしていた。 (788) 2024/11/28(Thu) 22:57:12 |