人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【秘】 寡黙 エミール → 遊蕩 ディルク

アンジュの痣が光ったとのお触れと、祭りの終了の予告。
気の毒そうな声。
それを聞きながら、痣の光らなかった男はぽつりと呟く。

「……終わったな」

――二人で現実逃避したその夜。
話していたとおりに落ち合って、力を授かった視線で絡み取り。
……結果予想外のことが起きていた。

……痣は光らなかった。
いや、それだけなら別にありえることではあったが。
何故か、隣に立つ男と妙な絆めいたものが繋がってしまったのだ。

「痣が光らなかったのは俺達だけか……」

つまり、彼の選択肢は奪えなかった。
自分の選択肢も……なくならなかった。

「俺達だけ、……選択をしなきゃいけないということだ」

帰るのか、帰らないのか。


これは選択することをここまで避けていた二人への、神の導き。
あるいは神の試練なのだろう。
(-1) 2024/02/14(Wed) 23:51:46