【秘】 遊蕩 ディルク → 寡黙 エミール>>-1 エミール 帰りたい理由があった。それが些細だとしても。 だから、本来であれば今の状況を喜ぶべきで。 迷いなくひとつを選べばそれでいいはずなのに。 立ち止まって、俯いて、動かずにいる。 「……運がいいのか、悪いのか。分かんないな」 選択の話。詳細は語られずともなんとなく、 貴方が転生者であるのかもと、少し。 …だとすれば、今の境遇は必然的なものなのだろうか。 妙な縁で繋がり、こうして隣にいることは。 「………あー、」 「……どうしようかな、ほんと」 「結局、こうなっちゃうんだな」 いっそ、選択なしに帰してくれたなら。 考えなくてよかったし、楽でいられたのに。 心はここに残さないって決めたのに。 (-7) 2024/02/15(Thu) 20:54:47 |