【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク生き延びる事は恥ずべき事。 生きて虜囚の辱めを受けず。 そう教わり、そう育った男は、己の身を恥じている。 それは死ぬまで変わらなかった。 「……牧師様のような事を言うんですね」 しかし貴方の言葉が、自分の救いになることを理解している。 けれども自分は救われるべきでないと、今も考えている。 「……。季節と言ってもね、 常夏の島で生まれましたから。ああでも、」 許される事。想われる喜び。 全てをとうの昔に忘れた男は──、 いつか自分を許せるのだろうか。 「……その時こちらでは、鬼灯が実っていたそうです」 それは、誰にもわからない。 (-10) wazakideath 2021/07/12(Mon) 13:18:19 |