人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【秘】 寡黙 エミール → 白昼夢 ファリエ

>>-10 ファリエ

「いや……何も変わらない。
 会ったとはいっても、全部夢だったと言われてもおかしくないし……顔はどうしたって見えなかった」

あなたの問に、軽く首を振った。

顔は見ることは出来なかったが、それでいいと思ったのだ。
自分は聖女に力を与えられたし、願いを叶えてもらえる。
所謂お気に入りの一人といったところなんだろう。

あの時言葉をかわしたのが本当は聖女じゃなかったとしても、全てが只の作り話だと思われても構わない。
大事なのは、夢の出来事も全て含めて、答えを決めたということだけ。

その、答えは―――

「実は……俺、死んだかもしれない両親に会えるんだよ」
「その……資格がある」

「でも、それを受けちまったら……アンタにも、子どもたちにも、二度と会えない」

遠い遠い場所に、行ってしまうから。

言い方は少し抽象的になってしまったが、意図はきっと伝わるだろう。
あなたの反応を伺うように、じっとその瞳を見つめて返した。
(-13) eve_1224 2024/02/17(Sat) 20:07:53