人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【秘】 宝石集め カリナ → 飄乎 シヴァ

こんな現実とは思えないような遠く離れた空の下。
物語をかたどったようなこんな世界で、本当の私をちゃんと見てくれる人ができるというのならどんなにいいことか。

思わなかったこともない、なのにこんなに簡単に言いのけられるとちょっと拍子抜け。
これがゲームのやりこみ度の違いというものなのかしらね。

「まったく。これから大変になるわね、シヴァ」

その普通がどれほどのものかわかっていないでしょう。
作った物を褒められたときも、大切にされたことも、口に出してもいない心を掴まれた瞬間も。

「ちょっと外に行きたくなってきた。
 ついでに前金として食事買ってきてあげる。
 それまで一眠りしていなさい、あなた思ったより弱いんだから」

ベッドから立ち上がって背を向ければ部屋の扉までまっすぐ向かっていく。
あなたの腕輪をくるりと指で回しながら口元を緩ませて、交じるのは呆れを含んだ楽しげな音だ。

「まだまだ解決することはたくさんだし。
 これからも死なないように手伝ってあげるよ」

嫌な気分でも思い出す顔に一人が浮かぶこの気持ちかんて、絶対にあなたにはわからないんだわ。
(-21) 2024/02/18(Sun) 13:28:57