【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロク『彼の御父上に金を借りてゐました。』 『出世拂ゐとゐふ話でしたが催促をされ、 返すあてが無ゐのでやむなく殺めました。』 『食糧が足りなゐ中、 私は嘗て彩帆で食べた肉の味を思ひ出しました。 だうしても死ぬ前に再度味わひたゐと思ひ、 明治君を脅したのです。』 『私が殺し、彼に處理を手傳わせました。 つまり彼は壱人も殺してなどゐません。』 『大變申し譯無く思つてをります。 私の命だけでは拭ゑぬ罪とは思ゐますけれども、 明治君は被害者と云へませう。 だうかご容赦くださひ。』 内容に目を通せば、概ね罪の自供と 明治明という少年への恩情を願う物であることがわかるだろう。 (-25) 2021/07/12(Mon) 23:10:46 |