人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【秘】 寡黙 エミール → 白昼夢 ファリエ

>>-18 ファリエ

「……俺は別に優しくない。
 ずっと自分勝手に生きてきたからな。何にも固執しないようにして、いつでも今を捨てれるように」

けれどもう。
ここで過ごした年月は、元の世界で生きていた10年を優に超えてしまった。
どんなに無関心でいようとしても、出来てしまった執着を簡単に捨てることはもうできなくて。

自重するように嘲笑う。
何かを捨ててしまう時、胸は痛むけれど。
自分にとって、いま大事なのは。
産んで愛してくれた両親よりも、これからも手を伸ばしてやりたいと思う人たちのこと。

「聖女も、聖女の祝福も関係ない。
 祝われようが残念がられようがどうでもいい」

また会う事があるならば、その時はもう少し穏やかな会話をしてみたいとは思う。
別に、あの聖女のことが嫌いではなかった。
それよりも特別なものが、あるだけの話し。

(-26) 2024/02/18(Sun) 20:55:32