【秘】 篝屋に来た カジヤマ → 氷肌玉骨を手に ナオアキ『――あきちゃん』 能力が消える前、吐き気を我慢してあなたに問うた。 この声は届かないのかも知れない。 『俺ちゃん、あきちゃんに生きて欲しい系』 要約して薬が見つかったことを告げた。 あなたの身体も己の身体もどこにあるかわかるのは初めてだ。 眠っていないのにこの能力を使っていると言うことは、 目を開けながら寝ているのと同じ気分で、相当気分が変だ。 『……なあ、もう化け物として生きるのは難しくなったよ。 戻ってきてくれねぇの? 普通に。 励ましてくれたとき楽しかったよ。 話そうって言ったのに、おねーさんのことまだ聞いてないし。 女装の話もまだじゃん。 …… 怪我治るんだって、 俺ちゃんもこうやって喋れるぐらいには、なってんの。 あんたの頭も治んねえ……? ……殴りかかられたくねえよ それより、もっと。もう話せないのが嫌なんだ』 『せめて身内に手を出すのやめちくりー……』 ただ、届くかわからない言葉をその場で呟いて。座り込んでいた。 報復が嫌なわけでも、怖いわけでもない。 命を喪う瞬間が好きじゃないだけだった。 (-41) 2022/06/17(Fri) 20:58:46 |