［六両目の車両、先頭から二番目の席。
　前に座ったのと同じ座席に座ります。

　車掌は座らないものですか？
　勧めることは致しましょう。］


　　　　よろしければどうぞ

　　　　……ここで過ごした時間は
　　　　わたくしの人生にとって欠かせない
　　　　大切な時間でした
　　　　あの時間がなければ
　　　　お茶会なんてしてられなかったと思います

　　　　乗せてくれて感謝してますわ


［注いだ紅茶を手渡し、話し出します。
　もどかしいくらい落ち着いた方だから
　話しやすいのかも知れませんね。
　幾分大人になったわたくしは微笑み感謝を伝え
　手すりを、そっと、愛おしげに撫でました。］