【秘】 朧げな遮光 守屋陽菜 → 風雪 世良健人「そっか」 それだけ人の為になれる異能なのに、とは正直思う。 だけど人の数だけ悩みがあって、異能の数だけ悩みもある。 ただそれだけの話、なのだ。 この度の騒動で、ずっと見て居た事。 「世良がさ、言ってた社会の話 たった一人、個人の異能で助けられる範囲は知れてるって あれ、……きっと異能だけじゃないんだよなぁ この学園でだって、問題があった時 事前に動くやつ、直接対処するやつ、後処理に回るやつ みんなばらばらで、どれも必要なんだよ そんで、大人になったらその範囲は広がるんだ」 この社会で、独立して存在できる人間はいない。 不確かな少女はそう信じて居る。 「だから、助けは別に求めればいい 自分の手が及ばない範囲なら、手を取り合うのもいいんだ ……これは、私もつい最近知ったことだけど 世良には、一生物の近しい人がいるんだからさ ────……へへ、上のもんは大変だよねぇ?」 (-82) 2021/11/07(Sun) 23:23:06 |