
![]() | 【秘】 天泣 トウカ → 黎明 ロウサラミも出してくれるなんて気が利く人。有難く頂戴しよう。先程までの湿っぽさは何処へやら、ウイスキーの香りを楽しみながら幸福の溜息。 貴方の口が堅いことも、信頼に足ることも、この4年間とあの晩でよぉく理解しているとも。いつもありがとね。 「……ふぅん? 取って付けたような理由だこと。 まぁ実際ずっとあの空間にいたら過労死組だものね。 聖職者のリレイにアマネ、薬品が作れる貴方は特に」 自分本位が最優先であれば、睡眠時間を削ってまで薬は作らないだろうに。対峙した時だって貴方は『仲間がおかしくなったら止めようとするのが筋』なんて言っていたもの。照れ隠しかな、可愛いね。くつくつと笑いつつも言わずにおこう。お酒とおつまみを没収されて追い出されたら困るので。 ウイスキーをもう一口。溜息一つを吐き出して脚を組んだ。 女狐も短命種である貴方達を全て理解することは難しい。 どうして短い生で満足出来るのか、己と共に生きてくれないのか。わからないことばかり、ではあるけれど。これからそれを知る数十年にするのも悪くない。少しでも寄り添おうとしてくれる貴方達、愛おしい人達の傍はこんなにも温かいのだから。 「あら残念、長命種への優しさでは無かった? 折角だから代表して泣いておこ。え〜ん」 「……嘘よ、嘘。それにしても手酷い失態、ね。 例の元カノが居たギルドの話?」 悲しまれた、ということは恐らく誰かの死が関係しているのかな。 蘇生が間に合わずとも暫しの時間を置けば生き返るのは己の身でも証明済み。で、あれば貴方の過去がどんなものであれ悲しむ人は出ないのだろうな。 貴方が死んで蘇生を受けたか、或いは第三者か。勝手な想像を膨らませつつグラスを傾ける。貴方が語ってくれるなら耳を傾けたいけれど、語りたくないのならばそれはそれで。 (-86) 2026/07/21(Tue) 10:53:19 |