人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【秘】 仕立て屋 エリー → 宝石集め カリナ

避ける素振りすら見せず、されるがままに。
笑われたけれど、少し懐かしむように髪を留めるそれに触れた。

「……髪飾りとか久しぶりだなぁ。
 生前はこういうの好きだったけど」

もう互いの事情は通じ合っているだろう。
生前という言葉で伝わるはずだ。

癒しの魔力が物理的な痛みを徐々に癒していく。

「……なんか、盗賊ギルドとかアクセサリ屋っていうよりも
 情報屋とかそういうのっぽいよね、カリナって。
 僕がちょっと殺しに偏りすぎてるのもあるけど」

光らせたくないと知らなかった……というのが保身のための嘘なのか、それとも事実なのか。
判断のしようがないから、あなたの判断を、言葉を信じる。
もしも嘘だったのならば……いや、思考を止めよう。

「……なるほど、それなら憶測じゃなく事実だから信用できるね。
 それなら私も少しは前を見ようかな。
 また声が聞こえれば、その時に備えればいいし……
 聞こえなくても、情報通のカリナと一緒に調べてたら他の帰る方法が見つかるかもしれないしね」

「それじゃあその、うーん……なんか気恥ずかしいような、変な気もするけど……
 いつか帰るために、パートナーになってくれるかな? その時まで。
 訳知りで、色々熟せて、仕事でもお互いに利益は出せるし。
 ……なんかプロポーズとか告白とかみたいだけど、どうかな」
(-87) akoris 2024/02/14(Wed) 20:42:46