【秘】 『巫覡』 ロベリア → 蒐集家 テンガン人がいない方へ。気配のない方へ。 そうして足を進める君のおかげか、少しずつ意識は明瞭に。 合わせて、揺れる瞳は今を映し感じる熱に気持ちが和らぐ。 そうだ、あの味はボクのものでは無い。 あまりにも強く感じ、深く受け入れてしまった。 立ち止まる足に閉じた目を開け、君を見ようとするけれど。 ……見えない。その間に向きは変わりまた歩き出すのだが。 「 …………………テンガン 」確かめるように名を呼ぶのは顔が見えない不安から。 掴んだ部分を緩く引っ張り、先とは違う落ち着きがある事を知らせようとする。 名を呼ぶ以外の言葉は、まだ上手く思い浮かばずにいた。 (-88) 2022/03/08(Tue) 22:26:33 |