【秘】 仕分人 ナル → 総合雑務機体 カンア「バグと言えば、カンアさまがおかしくなるとどんな口調になるんでしょうね。 いつも私より敬語でない話し口調が上手ですから、単純に気になります」 あなたの出自を知っているからこそ、デフォルトというデータが異常の基準になる。 今日の処分になった彼女達と似たようなものに見えるのは確かだが、記憶の有無がやはり違うのだろう。 つまり何かを望む意思があるのなら実際それは初期のプログラミングか、夢のようなもので。 本来のAIには発生し得ない、人間を元にしたAIの弊害になるうるバグだ。 「ついてきてくださったところでやって貰うのは運送の仕事なのですが!」 あなたは特にいやがりはしないだろう。 ひとつひとつにラベルのついた箱がその部屋には点在している、どれもエーラが貼って置いてくれた物で、片付いている物と片付いていない物が一目瞭然だ。 「あの箱と、こっちの箱を整備の方の元へ! 人間的に言えば想像の3倍以上重たいので一つずつ載せてくださいね」 指さしで指示をしながら自分は退いて椅子の上へ。 一度片付けをしたらしいその部屋の床は再びガラクタが散らばっていて、普通の人間が踏んでしまえば怪我をしてしまうだろう。 「そうだ、カンアさま。 私やりたいことができたんでお伝えしたいんですが。 近々昇進の目処を立てる予定なのでその際カンアさまを引き取れないか相談するつもりです。つきましては、えーと、その日まで日々の記録データを取りたくありまして! 日課のお仕事が増えてしまうのですが、どうぞお願いしますね」 (-91) 2024/04/13(Sat) 5:22:37 |