【秘】 大学生 要 薫 → 大学生 寿 達也[蚊取り線香って風情あるやろ。なんて そんな事を気にする癖に、指先は自らの衣類を取り攫いたがった。彼が困る顏を見るのも好きだ。けど、本当に困らせたい訳じゃない。それに困る顏とは違う顏の方がもっと好きだ。人前で肌を見せなくなった理由を聞かれたらきっと自分ははぐらかす。年下の恋人を篭絡して遊ぶのが好きだから。 好きだから、という感情を見せるのは少しばかり照れが生じてしまう。 元々は、ふらりのらりくらりと過ごしていた自分だけど、【縛られる】のも良いのだと。心地よいのだと彼とすることで初めて知った。縛る程に愛しているという行動のその愛おしさも] ……ん。そうやね。 可愛い蚊に吸われてもうたみたい。 [僕の肌に痕を残すのを許しているのは1人だけ。 脱がされた上着の下、白い肌に浮かぶ一輪の花痕に対する残念そうな顔に、僕は嬉しいで。と細やかな一言を差し込もう。これから彼が【何】をするのかは知らないが、何をするにしても彼のものだという証があるのは、見えるのは嬉しいのだけど。 白い壁紙に、白いカーテン。 そして白のシーツ。肌の白い自分が其処に座れば、溶け込むようで。上半身を脱いだまま、ベッドの上に座ろうとして、足を止めたのは、彼がズボンのホックにも手をかけたため。] (-92) 2023/03/01(Wed) 22:34:57 |